KIXベース

Life is full of ブログネタ

1/XX クインテッサホテル伊勢志摩

  • 潰れたホテルの再利用

伊勢神宮参りも一通り済んだ17時過ぎ、次の目的地は伊雑宮なので、近くで泊まりたいと考えていた時に見つけたホテルがこちら。

f:id:nasubi0113:20210205224247j:image

駐車場付きだし、まあ行けばなんとかなるだろう、アメリカのモーテル的な感覚でぽちっと予約して到着してみたら、割りかし古めかしいロードサイドのホテル。クインテッサという名前も都市部だと割と新築で建ててるようだが、どうも訳ありそうな外観。18時過ぎにチェックイン。昔ながらの鍵のルームキーをもらう。

 

意外にも、ロビーは立派。ただ写真左奥のエスカレーターは機能停止されていた。
f:id:nasubi0113:20210205224255j:image

客室階のエレベーターホールも綺麗に整えられてる。
f:id:nasubi0113:20210205224250j:image

だがしかし、奥に進むにつれて怪しい感じに。

部屋に入ってみると…
f:id:nasubi0113:20210205224310j:image

消毒薬だろうか、部屋中薬剤の臭いがプンプンする。エアチャイナのトランジットホテル程では無いが、そこそこ臭い。ベッドもベコベコ。

 

そして、寒気がするくらい古い設備。取りきれない手垢が生々しい。
f:id:nasubi0113:20210205224240j:image

水回りはこんな感じ。カーテンもカビが生えてる。ウォシュレットは便座が暖かくならないタイプ。
f:id:nasubi0113:20210205224306j:image

アメニティも歯ブラシ以外はエレベーターの前で選んで行くタイプなのは良いが、剃刀とくし位しかない。

 

カーテンも破れたまんま。

f:id:nasubi0113:20210205224258j:image

1番愛を感じなかったのが、大浴場に行くのに客に裸でタオルを持って部屋を行き帰りしなければいけない点。ちょっと出来るビジネスホテルなら、部屋に戻る時の事を考えて袋位用意してくれている。このホテル系は一回成田ゲートウェイホテルにも泊まった事があるのだが、ここは取り敢えずインバウンド需要を狙って潰れたホテルを買い取って最低限泊まれるように戻しました感が強い。運営してるのはインバウンド狙いの新興投資ファンドっぽい会社。出来るだけ抑えるもん抑えて収益を最大化しようという考えなんだろう。そうなんだよ、インバウンドが増えたのは良いけど、こういう愛のない新興投資ファンド系のホテルが沢山増えたんだよな。収益を最大化するのは良い事。だけど元ホテルマンとして、ホテルでご飯を食べる、バーでお酒を楽しむ、結婚式を挙げたり宴会を催したり、宿泊を楽しむといった文化をホテルが育む側面が廃れていってるのが残念でならない。でもそんな事言う自分が古いのかもしれないし、それにしがみついていたら新しいものも生まれない。こんな事を書いているとホスピタリティ業界で飯を食うのを諦めた分際が何をいっているのかと、現役の先輩後輩同期から怒られそうだ。

 

でもそんなホテルにもきっと良い歴史があるのだろう。何故か僕のナビには旧名で表示されていた。その名もセレクトグラント伊勢志摩。で、気になって調べてみると、元は志摩セントラルホテルソシアだったようで、2015年に運営していた会社が倒産したそうだ。いつ開業したか迄は出て来なかったけど、宴会の写真や豪華なバイキングの写真がググると出て来たりして、それなりに良いホテルだったようだ。2階の大浴場もそこそこ地元の人らしきおじさんが来てたりして、今でこそこうなってしまったけど、倒産する迄はきっとこの地域を代表するようなホテルだったのかも知れない。そう思うと、時代の流れの残酷さを感じざるを得なかった。

 

翌朝
f:id:nasubi0113:20210205224243j:image

朝ご飯を食べに、一階のレストランへ。
f:id:nasubi0113:20210205224301j:image

愛想のない女性スタッフが1人でホールを切り盛りしていて、特に案内される事もなく適当に座る。バイキングではあるが地元の名産とかがあるわけでもなく、まあ普通。エレベーターからは工事現場に行くような人達が降りて来て仕事に向かって行った。確かにそういえば駐車場にハイエースが多かった。

 

レストランを出る時も誰にも送られることなく、部屋に戻って支度。そしてチェックアウト。時代の流れに思いを馳せた、そんなホテルでした。