- 山岳路線に乗ってみよう!
南海高野線、橋本ー極楽橋間にそれはそれはとても険しい山岳路線があるそうな。そんなの是非乗ってみたい!という事で行ってみることに。
自宅から車でおよそ45分、やってきたのは横浜DeNAベイスターズ筒香選手の地元、和歌山県橋本市。
列車の旅なのに、車で向かう背徳感…。許せよ、泉州から橋本までは車の方が倍以上早いんだよ…。車できたのは良いものの、タイムズのような気の利いた安い駐車場はない。仕方なく駅前の駐車場に停める。最初の30分は無料、以降30分毎に200円、最大料金なし…。
待っていたのは南海2200系。2009年に天空に改造されてから今年で10周年。4両編成で後ろ2両は2000系普通車が繋がれている。
ホームで座席指定券を買う。10周年記念なので、記念乗車券付き。
木のぬくもりが感じられる車内。眺望が良い斜面の谷側に向くように座席が設置されている。
2両目後端にあるオープンデッキ。これからの時期は気温もよく清々しい空気を感じられるだろう。
路線図を見ながら、これから進んでいく急勾配の路線に胸が高鳴る。
この日乗車した天空3号の乗客は、私の乗った1号車は私の他に、鉄男と鉄子の計3名のみ。2号車も2人と何とも寂しい限り。逆に言うとほぼ貸し切り状態でラッキー。という事で自由に過ごさせてもらう。
13:29 橋本駅を出発。程なくして紀ノ川を渡る。
紀ノ川の南側を橋本市を望むように進む。
鉄男が最前列を指定して座っていたものの、他に乗客は皆無なので、時折前に行ったりして全面展望を愉しむ。
しばらくはゆるーい上りたが
次第に山深くなってくる。
玉川峡付近
さあここからが本番。最大50‰の勾配区間に入る。
谷にへばりつくように、急勾配急カーブを進んで行く。
カーブの1番きついところは、半径100mにもなる。車輪を軋ませながらゆっくりしっかりと進んで行く。
下古沢駅が見えてきた。
こんな山奥の駅にも、駅員が1人必ず配置されている。ここから先も各駅に必ず1人駅員がいて、行き違いの多い山岳路線の安全を支えている。本当に愛が多すぎるぜ南海!
どんどん登る。
標高も徐々に高くなる。
上古沢駅を通過。
さらにカーブがキツくなる。
集落もなくなってくる。
紀伊細川駅を通過。
極楽橋駅まであとひと息。
秘境駅での1人勤務ってどんなものなのだろう。
トンネルの向こうの急勾配。この路線が本当にきつい山登りの路線になっているのがよくわかる。
鉄男の他に、地元のお婆さんが列車を待っていた。こんな山奥の駅にもちゃんと利用客がいるのに驚いた。
数分して対向列車がやってきた。
対向列車の到着後、極楽橋へ向けてラストスパート。赤坂5丁目マラソンに例えると、最後の心臓破りの坂というところだろうか。
山を登ることおよそ40分、終点の極楽橋駅に到着。
きつい急勾配急カーブを登りきった天空、お疲れ様でした。
極楽橋駅でケーブルカーに乗り換え。今年2月にデビューした新型車両が待っていた。接続時間はおよそ5分程度。速やかに乗車。
ここから高野山駅まで一気に標高を稼ぐ。
おおー、何という急坂‼︎
途中にはこんな看板が。
激坂をゆっくりゆっくりと登っていく。
中間地点で坂を下る列車と行き違い。
およそ5分で高野山駅に到着。
重要文化財にも指定されている貴重な駅舎。
浜寺公園駅もそうだけど、南海は阪和線と比べて貴重な駅舎がいくつかあるところが面白い。
ここからバスで奥の院へ…と、行きたいところだが橋本駅に停めた車の駐車場代がえらいことになりかねないので、すぐに帰る事に。
坂を下る帰りのケーブルカーは、かぶりつき席に行く客が多かった。
極楽橋からはロングシートの2000系で橋本まで降りて行きました。普段から乗られていそうな方も多く、観光需要だけでなく地元の方とも思える人も結構いた。山を行き来する人々の生活を支える重要なライフラインである事、そして山奥の秘境でそれを支える鉄道マンの努力に思いを馳せた数時間の旅。とても胸熱で楽しい路線でした!